平倉社会保険労務士事務所
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年俸制と賞与

ilm08_ac0700810月26日に行われたプロ野球のドラフト会議、注目の清宮選手は、北海道日本ハムが交渉権を獲得しました。契約金や年俸がいくらになるのか、気になるところです。

プロ野球選手にならい、一般企業でも年俸制を採用している企業があります。ただ、企業で従業員として働いている人には労働基準法の適用があります。年俸制としても、毎月1回以上支給しなくてはいけない事など、制約はあります。

例えば年俸600万円として契約した従業員の方、一般的には次の2つの支払いパターンがあるかと思います。
ア 月額基本給50万円×12か月
イ 月額基本給40万円×12か月 (合計480万円)
7月10日と12月10日に賞与として60万円ずつ(合計120万円)

どちらも合計で600万円になりますが、支払い方は少し違います。

さて、「年俸制だから残業代は不要」というのは誤りです。もし、残業代も含めての年俸額を提示するのであれば、基本給部分と残業部分がいくらになるかをしっかり区別し、なおかつ、残業代部分が何時間分で、その金額が労働基準法で定めた計算方式で計算した金額に達していなければなりませす。「何時間分」と定めた時間を超えたら、超えた分の残業代も支払う必要があります。(労働基準法第41条に規定する除外の該当者はこの限りではありません)

残業代を支払う時の計算方法は、アの場合なら、
50万円÷(月平均の所定労働時間数)×1.25
が所定時間外の残業代単価(1時間当たり)になることは、すぐにわかることでしょう。
イの場合、月額基本給は40万円ですから、40万円を月平均の所定労働時間数で割り、1.25をかければいいのでしょうか?賞与は割増賃金の単価計算の際に除外するので、これでよいと思う人もいるかもしれませんが、これは誤りです。
労働基準法で賞与と解釈されるのは「勤務成績に応じて支給され、その額が予め定められていないもの」です。(昭和22年9月13日付け発基第17号)イの場合、年俸額決定の際に支払額が予め定められているので、賞与とはなりません。割増賃金を算定する際に除外となる賃金、「1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」、「臨時に支払われた賃金」にも該当しません。よって、7月10日と12月10日に支給が予定されている合計120万円も、割増賃金の単価計算の際に入れなくてはなりません。結果的には、アと同じ金額になります。

年俸制の賞与でもう1つ注意したいのは、途中退職者です。イのケース、1月1日から12月31日の年俸として決めたとしましょう。この方が6月30日付けで退職したとします。この会社の就業規則には「賞与は、支給日現在在籍している者に支給する。」と書いてあります。この場合、7月10日と12月10日に支給予定されていた120万円は、支給しなくてもよいのでしょうか?
そうではありません。イの支払い方は、年俸600万円の分割の仕方を決めただけです。1年間の半分を勤務したわけですから、この人は300万円をもらえる権利があります。6か月分の基本給は240万円ですから、足りない60万円はもらう権利があります。

年俸制を採用するときは、上記のようなことにも注意が必要です。

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