平倉社会保険労務士事務所
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12月26日と28日の休日振替は要注意!

ilm13_bb06004コロナウイルスに振り回された2020年も、早いもので11月中旬となりました。

年末年始の休日について、政府は、密を避けるために、長期化、分散化を進めています。官公庁や多くの企業は、12月29日から1月3日(または4日)を年末年始の休日と定めていますが、今年は12月28日が月曜日です。26日(土)、27日(日)の2日休んで、28日(月)に1日だけ出勤し、29日(火)からはまた休み。
効率が悪いので、26日(土)を出勤にし、28日(月)を休日にするという、「休日の振替」を検討している企業もあるかもしれませんが、これをやる場合には注意が必要です。

〇休日の振替と代休の違い
休日の振替は、就業規則に「行う場合がある」ことを明記し、事前に出勤日となる休日と、その代わりに休みとなる日を特定すれば、成立します。この場合、平日と休日が交換されたことになり、これだけでは、時間外や休日の割増賃金は発生しません。
休日の振替と似ていて違うのは代休です。代休の場合、まず休日に出勤します。この時点では、まだ代わりに休む日が決まっていません。よって、時間外や休日の割増賃金は発生します。あとから別の日を休んだとしても、時間外または休日労働をしたという事実は消えません。よって、割増賃金はそのままです。
法定休日の労働で代休を取った場合は、1.35倍から0.35倍に変わることになります。

〇振替後の1週の労働時間も40時間以内に
休日の振替なら割増賃金は発生しないかというと、そうとは限りません。振り替えた結果、1週間の労働時間が40時間を超えていたら、その時間分の割増賃金は発生します。
1週の法定労働時間は40時間、これを超えたら25%の割増賃金を支払わなくてはならないということは、労働基準法で定められています。
ここで、1週間は何曜日から何曜日までかという問題が発生します。労働基準法では、何曜日から1週間が始まるというところまでは規定されていません。企業が定めることができるのですが、企業で特に定めていない場合は、日曜日から始めることになっています。多くの企業では、この日曜日から始まる1週間が採用されているという前提で考えてみます。

〇12月20日から26日の1週間が40時間を超える?
注意すべき週は、12月20日(日)から26日(土)の週です。
毎週土曜、日曜、祝日が休みで、1日8時間労働の企業であれば、21日(月)から25日(金)の5日間で労働労働時間は40時間となります。休日の振替で出勤日となった26日(土)は、この日は最初から1週40時間労働を超えることになり割増賃金が発生することになるのです。

〇天皇誕生日は2月に
12月28日が月曜日になる年は、このような休日振替をしたくなります。過去に行った時には問題が発生しなかったのでしょうか?
12月28日が月曜日だったのは、近年では2015年(平成27年)、2009年(平成21年)がありました。ただ、この時は、注意すべき週12月20日から26日の中に、天皇誕生日(12月23日)があり、この日を休めば週40時間を超えませんでした。

効率よく休日を設定したいが、年末の忙しい時期は出勤日を確保したい。企業内で休日の設定を検討しましょう。

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