6月になりました。労働保険料の申告・納付の時期になります。皆様の会社にも、左のような冊子と申告書の用紙が送られてきている事と思います。
今年は、年度の途中で雇用保険料率が変更になる事から、通常の年と異なる部分があります。
〇確定保険料の計算
まずは、終わった令和3年度の労働保険料を次の手順で計算します。
令和3年度(令和3年4月から令和4年3月)に支払った賃金総額を算出
賃金総額に、各社に定められた労災保険料率、雇用保険料率をかけて労働保険料を算出
算出した労働保険料と、昨年納付した概算保険料の過不足を算出
過不足で、昨年多く払っていたら、その分を今年度支払う概算の労働保険料から引き、昨年少なく払っていたら、その分を今年度支払う概算の労働保険料に加えます。
また、令和3年度の賃金総額(労災保険分)に一般拠出金の料率をかけ、一般拠出金額も算出します。これも、今年度支払う概算の労働保険料に加えます。
ここまでは、例年通りの計算方法です。
〇令和4年度の概算保険料
年度の途中で雇用保険料率が変更になるので、ここは連年と少し変わります。賃金総額は、原則として令和3年度と同じ金額で計算します。賃金総額が2倍以上になりそうだ、あるいは半分以下になりそうだ、このような大幅な変動が見かまれるのであれば、その金額を使用して算出してもよいです。これも例年通りのやり方です。
そして、労災保険料分は決定した賃金総額に各社で決められている保険料率をかけて算出するのですが、雇用保険料率は10月より変更になるので、4月から9月分と10月から3月分にわけて保険料を算出する必要があります。
このときに必要なのが、労働保険料申告書と一緒に送られてきた、「令和3年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表/令和4年度 概算保険料(雇用保険分)算定内訳書」です。この用紙の点線から下の表を使い事になります。
この表では、令和4年4月1日から令和4年9月30日と、令和4年10月1日から令和5年3月31日 の区分に分けて、保険料算定基礎額(千円)を割り振ります。割り振りの仕方は、自由です。賃金総額を半分にしてそれぞれ割り振るのが無難でしょうが、上期に多く割り振ってもよいですし、下期に多く割り振るのもよいです。
建設業や農林水産、清酒製造業を除いた一般の事業で、賃金総額が2587千円だとすると、以下のように計算できます。
区分 賃金総額 保険料率 概算保険料額
令和4年4月1日から令和4年9月30日 1294千円 9.5/1000 12,293円
令和4年10月1日から令和5年3月31日 1293千円 13.5/1000 17,455.5円
合計 2587千円 29,748円
※1賃金総額(千円)に1未満の端数が出る場合は、上期は切り上げし、下期は切り捨てる。
※2概算保険料額で、各区分に1円未満の端数が出た場合はそのまま記載し、合計の概算保険料は1円未満を切り捨てる。
上記のように計算し、労働保険料申告書の確定保険料の部分では、
⑫保険料の算定基礎賃金の見込額 2587
⑭概算・増加概算保険料額 29748
の数字が入ることになります。
平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)
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