平倉社会保険労務士事務所
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副業者の労働時間管理

ilm08_ad05003副業・兼業をする人が増えています。当事務所のクライアント企業からも質問を多く受けるようになりました。

副業・兼業で注意しなくてはならないのは、長時間労働になりがちだということです。労働基準法における労働時間管理でも、本業と副業・兼業の労働時間を通算する場面もありますし、通算されない場面もありります。そのことについて解説します。

なお、副業と兼業は厳密に言うと違うという見方がありますが、本項では、本業とは別の仕事を全て副業として解説します。

〇労働時間は原則通算
労働者が、事業主を異にする複数の事業場で働いた場合は、その労働時間は通算されます。ただし、管理監督者(労働基準法第41条)や高度プロフェッショナル制度(労働基準法第41条の2)労働時間規制が適用されない場合は、その部分は通算されません。
また、そもそもフリーランスや会社の代表取締役など労働者ではない人は、労働時間という概念が無いので、通算されません。

ただ、副業者の健康を考えれば、労働時間を通算されないという場面で合っても、自己申告によって働いていた時間を把握するなどして、健康管理に活用するのが良いでしょう。

〇時間外・休日労働の限度時間
「時間外労働と休日労働の合計は、1か月100時間未満、2から6か月平均で80時間」という要件は、通算された労働時間で適用されます。A社での時間外労働と休日労働の合計が65時間、同じ月のB社での時間外労働と休日労働の合計が40時間となれば、両社合計で105時間となり、上記の要件を満たしていないことになります。

〇36協定の限度時間
時間外労働・休日労働に関する協定(通称「36協定」)は、個々の事業場で時間外労働や休日労働の限度時間を定めたものです。したがって、個々の事業場での時間外労働及び休日労働の時間数で見ればよい事となります。

〇法定休日
労働基準法では、原則として1週1日の休日を設けなくてはならない事となっています。4週間で4日の休日も認められていますが原則は1週間に1日です。
副業者の法定休日はどうなるかというと、「通算されない」ことになります。
例えば、Yさんが
A社で、月曜日から金曜日まで5日間働いた
B社で、A社で勤務した金曜日の翌日土曜日翌々日の日曜日の2日間働いた
となったとき、A社では1週間で2日休んだことになり、B社では1週間に5日休んだことになりれます。この場合、A社もB社も、法定休日を与えたことになります。
ただ、このような事が何週間も続けば、Yさんの健康が心配です。そうならないように、調整してあげることも必要でしょう。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)

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