5月13日、厚生労働省の審議会で、国民年金の第3号被保険者制度について議論されました。
この制度については、「不公平」という批判が多くありますが、厚生労働省では、即座に廃止することには慎重のようです。
〇第3号被保険者制度とは
日本に居住する20歳以上60歳未満の人は、必ず国の年金制度に加入しなくてはなりません。
その種類が3つあります。
第1号被保険者 自営業者など 自ら国民年金の保険料を納める
第2号被保険者 会社員など 会社を通して厚生年金保険料を納める
第3号被保険者 第2号被保険者に扶養されている配偶者 自身では保険料を納める必要なし
第3号被保険者となっていた期間は、将来もらう国民年金額を計算するうえでは、保険料を全額支給していたとして計算されます。
〇不公平と言われる所以
第3号被保険者になるためには、第2号被保険者の配偶者である必要があります。
会社を辞め無職無収入になったとしても、扶養してもらっている配偶者が自営業者で第1号被保険者であったら、第3号被保険者にはなれません。
第1号被保険者になり、自身で保険料を納めなくてはなりません。(免除制度はありますが)
また、扶養してもらっている人が配偶者ではなく親であったら、その親が第2号被保険者であったとしても、本人は第3号被保険者にはなりません。第1号被保険者として、保険料を納める立場になります。
いっぽう、自身の配偶者が第3号被保険者になったとしても、その人(第2号被保険者)の保険料は、それを理由に上がる事はありません。
「自営業者(第1号被保険者)に扶養されているのか、会社員(第2号被保険者)に扶養されているかで、保険料を払ったら払わなかったりするのはおかしい。」
という意見はあります。
〇どうなる第3号被保険者制度
第3号被保険者制度ができたのは1986年(昭和61年)です。
この頃は、夫が会社員、妻が専業主婦という家庭が主流でした。
その後、働き方の多様化などがあり、第3号被保険者の対象者は減少傾向にあります。
ただ、2022年(令和4年)末時点でも、721万人います。30代後半女性では、およそ3割が第3号被保険者制度なのです。
この人たちの配慮も必要です。
厚生労働省は、厚生年金に加入する人の要件を広げ、多くの人に加入してもろう考えのようです。
平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)
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