7月になりました。社会保険労務士としては、社会保険の算定基礎届が大きな仕事です。
毎年やっている事ですが、将来もらう年金額に影響する事なので、正確に行わなくてはなりません。
〇算定基礎届
毎年、4月、5月、6月に支給される給与額を基に計算します。
注意したいのは、会社の「〇月分給与」とは一致しない場合が有る事です。
例えば、給与の締日が毎月末日、支給日は翌月10日という企業です。
3月1日から3月31日の給与は、「3月分給与」と呼ばれているでしょう、
しかし、この給与の支給日は4月10日です。
したがって、算定基礎届の4月の欄には、3月分給与の金額を記載することになります。
もう1つ注意たしい事は、通勤費も算入するという事です。
6ヶ月定期券とか3か月定期券を支給している場合は、1か月ごとの金額を算出し、各月の給与額に足していきます。
〇年間平均の報酬で算定する方法
算定基礎届は、4月、5月、6月の給与額を利用するのが原則です。
しかし、業種に割っては、この3ヶ月が恒常的に忙しくなり、4月、5月、6月で標準報酬月額を算定すると、年間平均の給与額と比べると著しく高くなるケースがあります。
この場合には、年間平均の報酬額で標準報酬月額を算定する方法もあります。
具体的には、通常の4月、5月、6月給与の平均で算定した標準報酬月額の等級と、前年7月から6月までの1年間の給与の平均で算定した標準報酬月額の等級が、2等級以上違っていれば、年間平均の報酬で標準報酬月額を算定出来ます。
ただ、4月、5月、6月の給与がほかの月の給与より高くなる理由を記した申立書と、被保険者本人が、年間平均の報酬で算定することに同意する同意書を添付する必要があります。
年間平均の報酬額で算定し保険料が安くなるのはいいかもしれませんが、将来もらう年間額が少なくなるというデメリットもあるからです。
同意するかしないかは、被保険者の自由な意思によるものでなくてはなりません。
〇将来もらう年金はどうなる
話は変わりますが、7月3日に厚生労働省が、公的年金の財政検証の結果を発表しました。
財政検証は、原則として5年に一度行われ、将来もらう年金がどのようになるのかを検証するものです。
検証の結果、所得代替率(年金を65歳でもらい始めた時の金額が、そのときの現役世代男性の平均手取り額収入の何%にあたるか)は、いまよりも下がるものの、50%は維持できるというものでした。
こういう時に使われるのがモデル世帯というものです。
年金のケースでは、40年間働いた会社員の夫と専業主婦の妻 というものです。
モデル世帯にあたる世帯の方が珍しく、検証の結果を見て「自分もこうなる」と思うのは早計です。
将来自分がもらう年金が気になる人は、自分で年金事務所に行って調べてもらうか、ねんきん定期便に載っている自分の見込み額を確認するのがよいでしょう。
平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)
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