平倉社会保険労務士事務所
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雇用保険料率引き上げか?

ilm08_ac07008雇用保険料率が、来年度令和4年度から引き上げになる可能性が出てきました。雇用調整助成金の支給増により、財源が足りなくなったのが主な理由です。

引き上げとなれば、来年6月から7月に行う、労働保険料の申告、納付から影響が出てきます。

〇雇用保険の事業

雇用保険では、様々な事業が行われています。
・失業者に対する基本手当の支給(いわゆる失業手当)
・育児休業、介護休業者に対する賃金補償
・高年齢者が定年後も継続して勤務する際の、賃金補填
・雇用調整助成金などの、企業向け助成金支給
・公共職業訓練の実施や施設運営

これらは、被保険者(従業員)と事業主(企業)が支払う雇用保険料、そして国庫負担(税金など)で賄われています。

〇雇用保険料率
雇用保険の保険料は、雇用保険に加入している人(被保険者)に支払った賃金総額に保険料率をかけて算出します。

令和3年度の保険料率は、以下のようになっています。なお、農林水産業、清酒の製造業、建設業の場合は、下記とは違う保険料率になっています。

失業給付や育児休業などの負担分  被保険者 0.3% 事業主 0.3% 合計 0.6%
助成金など雇用保険時事業分    被保険者 なし   事業主 0.3% 合計 0.3%

〇引き上げ幅は?

現在の雇用保険財源から見て、保険料率の引き上げの可能性は高いとみています。問題はその上げ幅です。法律上は

失業給付や育児休業などの負担分   合計 1.2%まで
助成金など雇用保険時事業分     合計 0.35%まで

引き上げは可能なのですが、一気に上げてしまっては、経済的にも混乱が起こります。

〇引き上げ後の企業負担

仮に、以下のように引き上げたとします。

失業給付や育児休業などの負担分  被保険者 0.4% 事業主 0.4% 合計 0.8%(+0.2)
助成金など雇用保険時事業分    被保険者 なし   事業主 0.35% 合計 0.35%(+0.05)

被保険者は0.1%負担増、企業は0.15%の負担増という数字だけ見ると、あまり影響はないのかと思うかもしれません。

しかし、雇用保険料というのは、労災保険と合算して労働保険料とし、1年に1回、保険料を計算して支払うことになります。支払いは一括払いか3分割(保険料額の要件あり)を選べますが、一時的であっても、まとまったお金が必要になる事には変わりありません。

また、支払いは、被保険者負担分も含め、事業主がまとめて払うことになります。被保険者の毎月の給与から控除している雇用保険料をストックして、ここに充てるというイメージです。

従業員(雇用保険被保険者)が50人 平均の年間給与総額が400万円の企業を例にとると、

給与総額 4,000,000×50=200,000,000

増加する雇用保険料 200,000,000×0.25%=500,000(円)

従業員の負担分も含めて、50万円もの負担増になります。3分割にしても16万7千円程度です。

これくらいの負担増がある事は、今から頭に入れておいた方が良いかと思います。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)

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