平倉社会保険労務士事務所
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どうなる?外国人労働者の扶養

ilm08_cd09005外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法の改正案、国会でも審議されています。それにともなって、外国人労働者の「扶養認定」も問題に上がっています。

健康保険に加入した被保険者に扶養されている家族は、収入要件などを満たせば、健康保険法の被扶養者となり、保険適用となります。配偶者、子、本人の父母であれば、同居要件はありません。
また、厚生年金保険に加入している被保険者に扶養されている配偶者は、国民年金の第3号被保険者となり、年金保険料の支払いはなく、将来年金をもらう際には、保険料を納付していた期間と同じように計算されます。こちらも同居要件はありません。

同居要件がないので、海外居住でも被扶養者(または第3号被保険者)になることができますが、ここに、「日本国内に居住する」という要件を追加しようと検討しています。

現在の制度では、日本の健康保険に加入している被保険者、被扶養者とも、海外の医療機関で受診したら、医療費は原則3割で済みます。一度海外の病院で全額支払い、後日、加入している健康保険に申請するれば、療養費として支給されるのです(保険診療に適している部分のみですが)。
年金についても、海外にすみ続けている国民年金第3号被保険者は、加入期間を満たせば、将来国民年金を受給することができるのです。

外国人労働者が増え、健康保険や厚生年金保険に加入する人が増えると、将来、医療費や年金財政を圧迫するから「国内居住要件」をつけようとしているのかもしれませんが、そう簡単には行きそうにありません。

海外に住んでいる被扶養者には、いろいろなケースがあります。
・外国人が、家族を母国に残して日本で勤務し、家族に仕送りをしている。
・日本人が、家族と一緒に海外に居住し、転勤している。
私が経験したレアなケースは、外国人が家族を母国に残して日本で勤務していたのですが、配偶者は日本国籍も持ち、国民年金の加入歴もあったのです。

グローバルな時代、勤務地や家族はさまざまです。また、日本は多くの国と社会保障協定を締結しています。これは、年金保険料の二重払いなど、被保険者の不利益を回避するためのものです。
外国人労働者の扶養認定も、日本の事情だけでは決められないのかもしれません。

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健康保険証が届かない方へ

ilm08_cd12010全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している企業の健康保険証到着が遅れています。当事務所は東京都の企業の手続きをすることが多いのですが、今年10月以降、手続してから健康保険証が届くまで1か月くらいかかっています。通常は2週間程度で届いているのですが、最近は遅くなっています。

「入社して1ヵ月以上経って健康保険証がもらえないのはブラック企業じゃないか」とか、「給与から社会保険料を引いているのに健康保険証をもらえないのは、ごまかしている」とか。そのような事を言ったり、インターネットに書き込んだりする人がいるそうです。(当事務所では、直接確認していませんが)
ただ、これは早計です。会社の担当者または社会保険労務士は手続をしていて、健康保険証が届くのを待っている状態かもしれません。

それでは、2か月近く経っても健康保険証が届かなければ、いよいよ怪しいのか?そうとも限りません。
手続から1ヵ月で健康保険証が届くというのは、書類に不備がなく完全な状態で提出された場合です。誤記、記載漏れ、添付書類の不足などで手続きができない場合は、提出した書類が返戻され、再提出となります。そうしていると、2ヵ月近く経ってしまうことがあります。

「それは、会社の責任じゃないか!」と思われるでしょう。その通りなのですが、多くの人の手続きをしていれば、担当者だって間違えることはあります。(私も間違えたことがあり、大きなことは言えませんが・・・)マイナンバーの12桁の数字を書き間違えたり、入力ミスことはあるのです。
それに加え、今年10月より、扶養家族の続柄確認が厳格になりました。その関係で返戻になることもあるそうです。
この部分は、ご理解いただけると助かります。

健康保険証が届かない状態でご本人やご家族が病気になったりケガをする場合もあるでしょう。そんなときでも、迷わずに病院へ行きましょう。診察はしてくれます。その際の対応は以下の通りです。
ア 一度10割負担で支払いし、後日、療養費の申請をして7割分を還付してもらう
イ 健康保険被保険者資格証明書を発行し、それを医療機関に提出して保険適用してもらう。

健康保険証を持っていないときに病気になったら を参照ください。

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年次有給休暇5日取得義務

ilm08_cf11005来年4月1日から、企業は年次有給休暇を年5日以上取得させなければなりません。これは、大企業、中小企業にかかわらず、全ての企業が対象です。また、対象者や対象となる有給休暇について、以下のルールがあります。
・年次有給休暇が10日以上付与される労働者が対象
・来年4月1日以降に付与された年次有給休暇から対象
・労働者が自ら申し出た分や、計画的付与で取得した分は、5日から控除できる。

現在、当事務所のクライアント企業にこの内容を説明しています。その中で質問をいただくことがあるのですが、多いのは次の2つです。

〇会社が各人の有給休暇取得日を勝手に決めてよいのか?
「使用者が時季を指定して取得させる」ということになっていますが、労働者の要望を聞かず、勝手に決めてしまうのはよくありません。厚生労働省のパンフレットには、以下のような手順がかかれています。
使用者が労働者に取得時季の意見を聴取

労働者の意見を尊重し使用者が取得時季を指定
取得日数が5日に満たない人については、このようなステップを踏みましょう。

○1月1日に有給休暇を一斉に付与している場合はどうなるのか?
年次有給休暇は、入社から6か月経過後に付与、その後は1年経過ごとに付与となっています。入社日によって付与日が違うのは管理が大変なので、付与日を1月1日あるいは4月1日というように決め、前倒しで年次有給休暇を付与している企業があります。法定以上の年次有給休暇を付与していれば問題ありません。
在籍社員の場合、最初に5日取得義務が発生するのは、2020年1月1日に付与される分です。ただ、今後入社してくる社員は注意が必要です。

例えば来年2019年4月1日に入社した人を考えましょう。
a 2019年10月1日 入社後6ヵ月 10日付与 2019年10月1日から2020年9月30日までで 5日取得義務
b 2020年1月1日  一斉付与  11日付与 2020年1月1日から2020年12月31日までで 5日取得義務
aとbの5日取得義務期間にダブりが生じます。(2020年1月1日から2020年9月30日まで)この場合は、aとbの2つの期間を合算し、月割りで取得義務日数を求めます。
合算すると 2019年10月1日から2020年12月31日までの15ヵ月
5日÷12×15ヵ月=6.2499 0.5日単位で切り上げて 6.5日
この15か月間で6.5日に取得義務ということになます。

年次有給休暇5日取得義務についての細かい部分は、今後発表される行政通達や厚生労働省のパンフレットなども確認していく必要があります。

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継続雇用年齢引き上げへ

20123-8安倍首相は、今国会の所信表明演説で、65歳以上への継続雇用の引き上げについて言及しました。「未来投資会議」の中でも話が出ていたので唐突という印象はないですが、2020年の法案提出という具体的なスケジュールも出てきて、「いよいよ」という感じは出てきました。

高齢者雇用の面では、「70歳までの雇用を促すための計画の策定を、企業に義務付ける」ということも先週の日本経済新聞で取り上げられていました。
働き方改革の法律が成立した(実施は未だですが・・・・)あと、次は定年延長や継続雇用の引き上げが議論されていくのでしょう。

法律的な現状をいうと、2019年3月までは「希望者全員、原則62歳まで継続雇用、労使協定で定めた基準に達した人は65歳まで継続雇用」という段階です。「希望者全員、原則65歳まで継続雇用」の状態になるのは、2025年4月からです。
疎の状況の中、65歳以上への継続雇用の引き上げをするというのです。前回のように、「労使協定で定めた基準に達し人」という要件がつくかどうかはわかりません。

企業としては、65歳を超えても働ける環境づくりに着手しなくてはならない流れになってきました。元気な高齢者は沢山いますが、体力や健康に自信のない方もいます。そのあたりも考慮して、職場環境づくりをしなくてはなりません。

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36協定届の新様式

scan_0001働き方改革関連法の柱の1つである、時間外労働の上限規制。36協定届により、各事業所で上限時間を定めるのですが、その新様式が発表されました。

一番大きく変わったのが、特別条項付き(原則1カ月45時間超、1年360時間超)の協定届と、特別条項がない協定届の様式に分けられたということです。特別条項付きの協定届は2枚に分かれることになりました。(左の画像参照)

特別条項付きの36協定届の場合、
1枚scan_0002目が、特別条項を発動しない月の協定内容
2枚目が、特別条項を発動した月の協定内容
と見ることができます。
1枚目の上部に、事業所の労働保険番号と企業の法人番号を記載する欄が追加になりました。また、延長することができる時間数は、1日、1箇月、1年の限度時間を記載することになっていますが、1枚目は、1箇月45時間以内、1年360時間以内(一年単位の変形労働時間制を採用している場合は1箇月42時間以内、1年320時間以内)にしなくてはなりません。

2枚目は特別条項を発動した場合の内容になります。注意したいのは、1箇月と1年の延長できる時間数です。1箇月は100時間未満としなくてはなりませんが、ここは、法定時間外労働時間と法定休日労働時間の合計になります。これに対して、1年については720時間未満としなくてはなりませんが、法定時間外労働時間のみになります。

また、限度時間を超えて労働させる(特別条項発動)場合の手続きや、その際の労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置も記載しなくてはなりません。

来年4月以降(中小企業は再来年4月以降)の労使協定からこの様式で提出しなくてはなりません。様式が大きく変更になっているので、今から準備を進めておいた方がよいかもしれません。

36協定届のご相談は、東京都文京区の平倉社会保険労務士事務所まで

就活ルール廃止の先には

ilm08_ad08009経団連が、いわゆる「就活ルール」を廃止を発表しました。採用面接や内定の「解禁日」がなくなることになりますが、大学側と政府が協議し、当面は現在のルールが維持されるという話もあるそうです。

そもそも就活ルールはいつからあるのか?新聞報道によると、1953年に、当時の文部省、大学、経済界の申し合わせで10月選考開始となったようです。
その後、「就職協定」や「倫理憲章」などに変わっていきます。ただ、いつの時代でもルール破りはあり、その都度、時期の変更などがあり、現在の至ったというわけです。

私が就職したのは1988年ですから、今から30年前です。そのときは「就職協定」があり、当時の内定解禁日は大学4年生の10月だったと記憶しています。ルール上は今と変わりません。
私たちの時代は4年生になってから就職活動を始めていました。しかし、現在は3年生のうちから就職活動を始め、4年生になる頃には、もう内々定を受けている学生が多いようです。

そんなに早く就職活動を始める必要があるのかと疑問に思っていましたが、ある中小企業の採用担当者の方にこう言われました。
「就職活動を早く始める学生は、意識が高い証拠。それだけでも、採用の面ではプラスになる。」

ごもっともな意見です。

就活ルールが廃止されたら、就職活動はもっと早くなるのか、それとも遅くなるのか?それはわかりません。ただ、新卒一括採用というシステムが薄れていくのではないかと見ています。

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最低賃金10月から改定

ilm08_aa050091都道府県ごとに決められる最低賃金、この10月から改定になります。最低賃金は、原則として正社員からアルバイトまで、全ての労働者が対象になります。(障害を持っている人などは、労働基準監督署に許可申請をすれば、最低賃金の減額が認められる場合があります。)

東京都の最低賃金は、平成30年10月1日より、時給985円となりました。前年より27円のアップ。来年には1000円を超えるかもしれません。

最低賃金でよく質問を受けるのが、契約期間途中での変更です。例えば、勤務地が東京都で平成30年4月1日から平成31年3月31日の1年間の有期雇用、時給970円、その他手当なしで契約したとします。契約当初は最低賃金を上回っていましたが、期間途中の10月1日から、最低賃金を下回ることになります。この場合、10月から、自動的に時給985円に上がることになります。

月給の人にも最低賃金は関係してきます。最低賃金は時給で決められているので、月給者の場合は、最低賃金に1か月の平均所定労働時間をかけて求めます。
東京都の事業所で、1カ月の平均所定労働時間が160時間(1日8時間、1カ月20日勤務)であれば
985×160=157,600(円)
となります。

最低賃金の対象となる賃金、ならない賃金は法律で定められています。
賞与などの臨時な賃金、時間外労働や、休日、深夜の割増賃金は最低賃金から除外です。精皆勤手当、通勤手当及び家族手当も除外になります。
一方、役職者に対する役職手当や、専門的な業務についている人に対する職務手当は最低賃金の対象になります。

上記の東京都の事業所の例で言えば
基本給  155,000円
通勤手当  20,000円
であれば、最低賃金を下回ります。ところが、
基本給  155,000円
役職手当  20,000円
となれば、最低賃金を上回ることになります。

詳しくは 最低賃金以上かどうかを確認する方法 のページを参照ください。

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パワハラ防止も義務化へ

20123-15厚生労働省は、企業がパワー・ハラスメント(パワハラ)の防止策を策定するよう、法律で義務付ける検討に入りました。

パワハラは、職場の環境を悪化させるだけでなく、被害者が病気を発症して労災認定を受けるなどの悪影響があり、社会問題にもなっています。しかし、これまでは、企業で防止策を策定することは、法律上の義務にはなっていませんでした。

セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は男女雇用機会均等法で、マタニティー・ハラスメント(マタハラ)は育児介護休業法で、防止策を講じるよう定められています。パワハラがこれまで法律で義務化されていなかったのは、バワハラか職務上の指導かの判断をするのが難しいという面があったからでしょう。

パワハラの防止策が法律で義務化されれば、就業規則にも以下のような内容が必要になってくると思います。
・会社が、バワハラ防止に取り組むという宣言
・どのような行為がパワハラにあたるかの例示
・相談窓口や相談体制
・加害者の懲戒処分
・再発防止策
・相談者などの秘密保持

また、定期的にバワハラ防止の研修も必要になってきます。

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有給休暇消化義務で注目される時間単位の取得

ilm08_cf07001働き方改革関連法が成立し、来年4月からスタートする制度もあります。このなかで、悩ましいのが、有給休暇の消化義務です。
年次有給休暇が年間10日以上付与された人に対し、最低でも5日、消化させなくてはならなくなります。
本人が自ら申請して5日以上消化すれば問題ありません。ただ、本人の申請が5日に満たない場合は、会社が時季を指定して消化させなくてはなりません。

このところ、働き方改革関連法について、クライアントさん各社に説明に出向いています。一番意見が出るのが、この部分です。会社側からは、以下のような意見が出てきます。
「会社としては休ませたいが、本人が休みたくないと言う。」

従業員からは、以下のような意見が出ます。
「休んでも仕事は減らない。次の日仕事が厳しくなるだけ。」
「初年度は10日しか付与されない。病気になったときのために、貯めておきたいが、5日も使ったら貯まらない。」

どれも真っ当な意見です。しかし、労働基準法で有給休暇の消化が義務となります。

対策として、以下のものが考えられます。

ア 年次有給休暇の計画的付与
会社(あるいは部署)で一斉に有給休暇を使用する日を労使協定によって定めるのです。
例 連休の谷間 お盆休み 部署ごとにわかっている閑散期 など

イ 時間単位の有給休暇
年次有給休暇は、労使協定で必要事項を定めれば、時間単位で消化することもできます。忙しく、1日は休めない人でも、1時間、2時間なら休めるかもしれません。
前日の勤務が夜遅くなることが予想される場合や、旅行に行く前の日など、フレキシブに使えます。

また、計画的付与と時間単位の有給休暇を組み合わせるという方法もあります。

従業員にとってはせっかくの有給休暇です。有効に使用できる方法を考えましょう。

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大地震のため休業したときの賃金

point-019月に入り、続けて大規模な自然災害が発生しました。台風21号および北海道胆振東部地震により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

北海道胆振東部地震では、建物の倒壊や設備の破損が激しく、休業を余儀なくされた企業も多いことでしょう。中には、事業再開まで1か月以上かかるところもあると聞いています。

大地震により休業したとき、従業員の賃金はどうなるのでしょうか。
労働基準法第26条には、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の6割以上を支給しなくてはならない(休業手当)ということが定められています。

ただし、地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け従業員を休業させる場合は、労働基準法第26条に定める「使用者の責に帰すべき事由」には該当せず休業手当の支払い義務はありません。

しかし、1か月も休業させる場合、休業手当を全く支払わなくてよいのでしょうか?法律的には支払い義務はないのですが、従業員の生活のことを考えれば、まず、別の形て働けないかを探るべきでしょう。
具体的には在宅勤務、あるいは、近隣の営業所や店舗で勤務できないかを検討すべきです。職種によっては、在宅勤務ができないものもあるでしょう。中小企業なら、別の営業所などない場合もあります。仮にあったとしても、元々働いている従業員の方がいるわけですから、与えられる仕事がないかもしれません。
結果的には働けないかもしれませんが、休業を回避する方法を検討することが大切です。

天災は忘れたころにやってくる と言います。平時から、大規模災害の際の勤務体制を検討しておくことも大切です。

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