平倉社会保険労務士事務所
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有給休暇消化義務で注目される時間単位の取得

ilm08_cf07001働き方改革関連法が成立し、来年4月からスタートする制度もあります。このなかで、悩ましいのが、有給休暇の消化義務です。
年次有給休暇が年間10日以上付与された人に対し、最低でも5日、消化させなくてはならなくなります。
本人が自ら申請して5日以上消化すれば問題ありません。ただ、本人の申請が5日に満たない場合は、会社が時季を指定して消化させなくてはなりません。

このところ、働き方改革関連法について、クライアントさん各社に説明に出向いています。一番意見が出るのが、この部分です。会社側からは、以下のような意見が出てきます。
「会社としては休ませたいが、本人が休みたくないと言う。」

従業員からは、以下のような意見が出ます。
「休んでも仕事は減らない。次の日仕事が厳しくなるだけ。」
「初年度は10日しか付与されない。病気になったときのために、貯めておきたいが、5日も使ったら貯まらない。」

どれも真っ当な意見です。しかし、労働基準法で有給休暇の消化が義務となります。

対策として、以下のものが考えられます。

ア 年次有給休暇の計画的付与
会社(あるいは部署)で一斉に有給休暇を使用する日を労使協定によって定めるのです。
例 連休の谷間 お盆休み 部署ごとにわかっている閑散期 など

イ 時間単位の有給休暇
年次有給休暇は、労使協定で必要事項を定めれば、時間単位で消化することもできます。忙しく、1日は休めない人でも、1時間、2時間なら休めるかもしれません。
前日の勤務が夜遅くなることが予想される場合や、旅行に行く前の日など、フレキシブに使えます。

また、計画的付与と時間単位の有給休暇を組み合わせるという方法もあります。

従業員にとってはせっかくの有給休暇です。有効に使用できる方法を考えましょう。

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大地震のため休業したときの賃金

point-019月に入り、続けて大規模な自然災害が発生しました。台風21号および北海道胆振東部地震により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

北海道胆振東部地震では、建物の倒壊や設備の破損が激しく、休業を余儀なくされた企業も多いことでしょう。中には、事業再開まで1か月以上かかるところもあると聞いています。

大地震により休業したとき、従業員の賃金はどうなるのでしょうか。
労働基準法第26条には、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の6割以上を支給しなくてはならない(休業手当)ということが定められています。

ただし、地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け従業員を休業させる場合は、労働基準法第26条に定める「使用者の責に帰すべき事由」には該当せず休業手当の支払い義務はありません。

しかし、1か月も休業させる場合、休業手当を全く支払わなくてよいのでしょうか?法律的には支払い義務はないのですが、従業員の生活のことを考えれば、まず、別の形て働けないかを探るべきでしょう。
具体的には在宅勤務、あるいは、近隣の営業所や店舗で勤務できないかを検討すべきです。職種によっては、在宅勤務ができないものもあるでしょう。中小企業なら、別の営業所などない場合もあります。仮にあったとしても、元々働いている従業員の方がいるわけですから、与えられる仕事がないかもしれません。
結果的には働けないかもしれませんが、休業を回避する方法を検討することが大切です。

天災は忘れたころにやってくる と言います。平時から、大規模災害の際の勤務体制を検討しておくことも大切です。

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70歳まで雇用時代へ

ilm08_be010079月6日付け日本経済新聞朝刊によると、政府は、労働者が希望すれば70歳まで働ける趣旨で、高年齢主雇用安定法改正の検討に入りました。

現在は、定年は60歳以上、65歳までは継続雇用などで雇用を確保する措置を講ずることが義務付けられています。これを一気に70歳まで引き上げるのではなく、数年かけて70歳まで引き上げていったり、最初は70歳までの雇用は努力義務とする方向です。

人口が減少し、高齢者の比率が高まっている日本。昨今の人手不足から、70歳までの雇用はすんなり浸透する?
そんな単純な話ではなさそうです。

高齢者の継続雇用年齢を延長すれば、相対的に若年者の雇用を減らす力が働きます。いくら人手不足といえども、中小企業にとっては厳しい選択になります。また、企業の社会保険料負担も増加します。

将来的には、高齢者の雇用を拡大する必要があると思うのですが、現在は、「希望者全員65歳まで雇用」をやっている途中といえます。それが完全に実現してから、10年あるいは20かけて徐々に実行していくことかと思います。

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厚生年金保険 加入要件の緩和は必要か

ilm08_bd01012厚生労働省は、厚生年金保険へ加入する要件を緩和する方向で検討に入りました。
現在は、勤務時間・勤務日数が、常時雇用者の4分の3未満(概ね週30時間未満の勤務)であっても、以下の全ての要件を満たせば、厚生年金保険に加入することになります。
1 週の所定労働時間が20時間以上であること
2 雇用期間が1年以上見込まれること
3 賃金の月額が8.8万円以上であること
4 学生でないこと
※被保険者数が常時501人以上の企業てせの要件。500人以下の企業では、労使合意が要件に加わる。

このうち、月額が8.8万円以上という部分を、月額6.8万円に引き下げるという案です。また、500人以下の企業については、労使合意の必要なく加入するという話も出ています。
なお、仮に収入要件が月額6.8万円に下がっても、現在の標準報酬月額の下限98千円は引き下げになるのかどうかはわかりません。

そもそも、週20時間以上勤務して、賃金月額8.8万円未満という人がどの程度いるのでしょうか?
東京都で考えると、最低賃金が958円(平成29年10月現在)。ただ、今後は上昇し、1000円を超えるのはあと2年くらいかと思われます。また、数年かけて、全国平均でも1000円するのが政府の目標です。
1カ月は4.3週間あるとして、時給1000円になったときを想定すると
20時間×4.3週間×1000=86,000円
20時間という最低ラインの勤務時間であっても、8.8万円の現在の要件にかなり近づきます。

週20時間勤務で、賃金月額を6.8万円未満(厚生年金保険に加入しない要件)とすると、時給790円未満にしないといけない試算が出ます。

収入要件を引き下げれば、それを超えないように時給や勤務時間数を減らそうという動きもでてきます。強制加入の要件を緩和するのではなく、国民年金に任意で上乗せできる制度を充実させるのも1つの方法かもしれません。

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派遣先事業所の派遣期間延長手続き

ilm08_ac070072015年(平成27年)9月30日に労働者派遣法が改正され、まもなく3年が経とうとしています。労働者派遣法の場合、3年というのが1つの節目になっています。

派遣労働者で言えば、同一企業の同一組織単位(会社で言うと「課」のイメージ)に3年続けて派遣されていたら、別の会社、あるいは同じ会社でも別の課に移籍したり、または、派遣元で期間の定めのない契約に転換しないといけないというルールがあります。これは、主に派遣元企業が行うことで。

派遣労働者を受け入れている、派遣先企業にも3年ルールはあります。事業所単位(課ではない)で、派遣労働者を受け入れることができるのは、原則として3年間です。ただ、これには例外があり、3年間に達する1カ月前までに、当該事業所の従業員過半数代表の意見を聴けば、
3年という期間は延長できます。1回につき延長できるのは3年までですが、その後また延長するのは差し支えありません。

この延長手続きは、以下の要領で行います

1 派遣延長の意見を聴くための、従業員代表を選任してもらう。
会社が代表を指名するのではなく、従業員で自主的に選任してもらいます。
なお、過半数労働組合があれは、その代表に意見を聴くことになります。

2 従業員代表に意見を聴く
口頭で済ますのではなく、書面で意見を聴き、書面で回答してもらいましょう。
書面で意見を聴くときには、延長しようとする期間(1回につき最長3年間)や、派遣労働者の人数の推移などを提示しましょう。
なお、従業員代表から意見があがったら、しっかりと検討し、必要に応じて、延長期間の修正などの対策を講じましょう。

3 事業所の労働者や派遣元企業への結果通知
意見の聴取を終え、派遣期間を延長したら、その内容を事業所で働く労働者や、派遣元企業にも通知しましょう。

なお、ここで言う3年というのは、改正労働者派遣法が施行された2015年(平成27年)9月30日以降に締結した派遣契約から対象となります。3年の起算日は、派遣契約の日によつて違ってきますので、ご注意ください。

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賃金上昇 本格化?

ilm08_bd03013賃金が上昇しています。6月の名目賃金は、前年同月比で3.6%上昇し、実質ベースでも2.8%上昇。ともに、21年ぶりの高い伸び率でした。

賞与の増加や、賞与支給を7月から前倒しした企業があることが影響している面も指摘されていますが、それを差し引いても高い上昇率です。

要員として考えられるのは
・中小企業の賃上げ・ベースアップが高かったこと
・非正規社員の賃金が上がっていること
です。これは、「全体的に底上げされた」ことを意味します。

これをもって、賃金は本格的な上昇局面になるのか?
いやいや、そう簡単ではなさそうです。物価は、いまだに低水準のまま。消費はGDP速報値ではいい数字がでましたが、家計調査の実質ベースでは前年同月比マイナス。まだ、はっきりしません。経済の教科書的にいえば、これらの指標が上がってこないと、賃金上昇も続かないようです。

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管理・監督者の勤務時間把握も義務に

20123-16働き方改革の法律が施行される来年4月から、管理・監督者についても、勤務時間の客観的な把握が義務付けられる方向です。

ここでいう、管理・監督者とは、労働基準法第41条に規定されていて、以下の条件のもと、該当するかどうかの判断をします。
・経営者と一体的な立場で仕事ほしている。
・出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない。
・その地位にふさわしい待遇がなされている。

役職や肩書で判断するのではなく、上記の項目で判断するので、それぞれの会社で定めている「管理職」とは一致しない場合があります。

管理・監督者となれば、時間外の割増賃金(残業代)と休日の割増賃金は支払われなくなります。深夜の割増賃金は支払わなくてはなりません。
また、管理・監督者の条件にある「勤務時間について厳格な制限を受けていない」ということから、管理・監督者の勤務時間をいっさい把握していない企業もあるかもしれませんが、それでは、長時間労働が隠れてしまう場合があります。

管理・監督者でももちろん仕事をしているわけで、月間80時間を超える時間外労働を続けていれば、当然過労死のリスクは増えます。それを未然に防ぐためにも、勤務時間の把握は必要なのです。
このことは、裁量労働勤務者にも言えることです。

勤務状況を管理するための把握でなく、健康状態の管理のために必要な事なのです。

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熱中症 労災防止対策も

ilm08_ac06006今年の夏は、記録づくめの暑さです。熊谷で観測史上最高の41.1℃を記録したのをはじめ、各地で連日猛暑日が続きました。熱中症も増えています。

先日、「熱中症で、労災が認められることはありますか。」と質問を受けました。熱中症の原因が業務中で(休憩中も該当する場合あり)で、業務と熱中症の原因に因果関係があれば、認められます。
暑い場所で仕事をしていて、それが原因で熱中症になれば、業務上の災害として認められることもあります。

よって、企業としても、防止対策を行わなければなりません。

・作業の中止、中断
・休憩時間、回数の増加
・水分、塩分の摂取の促進
・日ごろの健康管理
・無理をしない、させない雰囲気つくり
など。また、屋外での作業は複数人で行うことを原則とした方がよいでしょう。

また、熱中症は屋内業務でも起こり得ます。実は、熱中症は高温のときも起こるのですが、それよりも注意したいのは湿度です。多湿の時に起こりやすいことがわかっています。

厚生労働省は、熱中症防止対策として、暑さ指数(WBGT値)の把握に重点を置いています。暑さ指数とは、人体の熱収支に与える影響の大きい
①湿度
②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、
③気温
の3つを取り入れた指標です。気温と同じ℃で表記され、28℃を超えると厳重警戒、31℃を超えると危険レベルになります。ここまでくると、暑さ指数が下がるまでは屋外での作業は中断した方がいいかもしれません。

最初にも書きましたが、今年の夏は、記録づくめの暑さです。私たちの体力は、思っている以上に低下しているかもしれません。今年は特に熱中症には気をつけましょう。生命にかかわる病気なのです。

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夏休みこども年金教室 開催

scan8月21日、親子で学ぶ年金教室が開催されます。年金と聞くと難しく、こども、特に小学生には無理という印象をお持ちの方が多いかもしれません。ただ、この授業は年金のしくみを、クイズを使ったり、劇をしたりして、わかりやすく説明します。

わかりやすいたげでなく、しっかりと知識が身につく授業になっています。
・年金をもらう3つのきっかけ (老齢、障害、遺族)
・年金をもらうための2つの約束 (保険料を払う、手続をする)
・年金のしくみ(世代間扶養)
を学習目標にし、これらをしっかりと理解させるようにしています。学んだことを実感でき、活用できるようにしています。

以前、私が授業をしたときには、児童から、わかりやすい、面白かったという感想があがっていました。また、一緒に参加した保護者からも、「なんとなくの知識が、はっきりわかってよかった。」、「学生の頃にこんな授業を聞きたかった」という感想もいただいています。

授業の申し込みは既に始まっていて、定員も近づいています。ご興味のある方は、早めにお申し込みください。

・対象 都内や近県にお住まいの小学生と保護者の方
・日時 平成30年8月21日(火) 14時から16時(13時30分受付開始)
・場所 千代田年金事務所(千代田区三番町22)
・主催 東京都社会保険労務士会(社会貢献委員会)

申し込みサイトはこちら

残業月45時間超で健康対策が義務に

ilm08_ac07009先日成立した働き方改革法案、時間外労働の上限規制が決まりましたが、細部は厚生労働省令で決まることになっています。

その1つとして、時間外労働が月45時間を超える場合は健康確保の対策を義務付けることになりそうです。
時間外労働は、1カ月45時間以内、1年360時間以内が原則です。(1年単位の変形労働時間制を採用している事業所は、違う場合もあります。)特別条項付きの36協定を締結すれば、上記の時間を延長することも可能ですが、延長するためには、健康確保措置を必須として、それがかかれていない36協定届は、労働基準監督署で受け付けない方向です。

健康確保措置は、企業が独自に策定していいのですが、望ましい例として、以下の項目があげられそうです。
・勤務間インターバル制度の創設
・深夜勤務回数の制限
・特別休暇の付与
・連続した年次有給休暇が取得できる施策

特別条項付きの3協定は、文字通り「特別」な状況です。通常の時間外労働の範囲内に収まらないのであれば、健康を確保する措置をしっかり実施する必要があるというのが趣旨のようです。

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