平倉社会保険労務士事務所
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36協定届の新様式

scan_0001働き方改革関連法の柱の1つである、時間外労働の上限規制。36協定届により、各事業所で上限時間を定めるのですが、その新様式が発表されました。

一番大きく変わったのが、特別条項付き(原則1カ月45時間超、1年360時間超)の協定届と、特別条項がない協定届の様式に分けられたということです。特別条項付きの協定届は2枚に分かれることになりました。(左の画像参照)

特別条項付きの36協定届の場合、
1枚scan_0002目が、特別条項を発動しない月の協定内容
2枚目が、特別条項を発動した月の協定内容
と見ることができます。
1枚目の上部に、事業所の労働保険番号と企業の法人番号を記載する欄が追加になりました。また、延長することができる時間数は、1日、1箇月、1年の限度時間を記載することになっていますが、1枚目は、1箇月45時間以内、1年360時間以内(一年単位の変形労働時間制を採用している場合は1箇月42時間以内、1年320時間以内)にしなくてはなりません。

2枚目は特別条項を発動した場合の内容になります。注意したいのは、1箇月と1年の延長できる時間数です。1箇月は100時間未満としなくてはなりませんが、ここは、法定時間外労働時間と法定休日労働時間の合計になります。これに対して、1年については720時間未満としなくてはなりませんが、法定時間外労働時間のみになります。

また、限度時間を超えて労働させる(特別条項発動)場合の手続きや、その際の労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置も記載しなくてはなりません。

来年4月以降(中小企業は再来年4月以降)の労使協定からこの様式で提出しなくてはなりません。様式が大きく変更になっているので、今から準備を進めておいた方がよいかもしれません。

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就活ルール廃止の先には

ilm08_ad08009経団連が、いわゆる「就活ルール」を廃止を発表しました。採用面接や内定の「解禁日」がなくなることになりますが、大学側と政府が協議し、当面は現在のルールが維持されるという話もあるそうです。

そもそも就活ルールはいつからあるのか?新聞報道によると、1953年に、当時の文部省、大学、経済界の申し合わせで10月選考開始となったようです。
その後、「就職協定」や「倫理憲章」などに変わっていきます。ただ、いつの時代でもルール破りはあり、その都度、時期の変更などがあり、現在の至ったというわけです。

私が就職したのは1988年ですから、今から30年前です。そのときは「就職協定」があり、当時の内定解禁日は大学4年生の10月だったと記憶しています。ルール上は今と変わりません。
私たちの時代は4年生になってから就職活動を始めていました。しかし、現在は3年生のうちから就職活動を始め、4年生になる頃には、もう内々定を受けている学生が多いようです。

そんなに早く就職活動を始める必要があるのかと疑問に思っていましたが、ある中小企業の採用担当者の方にこう言われました。
「就職活動を早く始める学生は、意識が高い証拠。それだけでも、採用の面ではプラスになる。」

ごもっともな意見です。

就活ルールが廃止されたら、就職活動はもっと早くなるのか、それとも遅くなるのか?それはわかりません。ただ、新卒一括採用というシステムが薄れていくのではないかと見ています。

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最低賃金10月から改定

ilm08_aa050091都道府県ごとに決められる最低賃金、この10月から改定になります。最低賃金は、原則として正社員からアルバイトまで、全ての労働者が対象になります。(障害を持っている人などは、労働基準監督署に許可申請をすれば、最低賃金の減額が認められる場合があります。)

東京都の最低賃金は、平成30年10月1日より、時給985円となりました。前年より27円のアップ。来年には1000円を超えるかもしれません。

最低賃金でよく質問を受けるのが、契約期間途中での変更です。例えば、勤務地が東京都で平成30年4月1日から平成31年3月31日の1年間の有期雇用、時給970円、その他手当なしで契約したとします。契約当初は最低賃金を上回っていましたが、期間途中の10月1日から、最低賃金を下回ることになります。この場合、10月から、自動的に時給985円に上がることになります。

月給の人にも最低賃金は関係してきます。最低賃金は時給で決められているので、月給者の場合は、最低賃金に1か月の平均所定労働時間をかけて求めます。
東京都の事業所で、1カ月の平均所定労働時間が160時間(1日8時間、1カ月20日勤務)であれば
985×160=157,600(円)
となります。

最低賃金の対象となる賃金、ならない賃金は法律で定められています。
賞与などの臨時な賃金、時間外労働や、休日、深夜の割増賃金は最低賃金から除外です。精皆勤手当、通勤手当及び家族手当も除外になります。
一方、役職者に対する役職手当や、専門的な業務についている人に対する職務手当は最低賃金の対象になります。

上記の東京都の事業所の例で言えば
基本給  155,000円
通勤手当  20,000円
であれば、最低賃金を下回ります。ところが、
基本給  155,000円
役職手当  20,000円
となれば、最低賃金を上回ることになります。

詳しくは 最低賃金以上かどうかを確認する方法 のページを参照ください。

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パワハラ防止も義務化へ

20123-15厚生労働省は、企業がパワー・ハラスメント(パワハラ)の防止策を策定するよう、法律で義務付ける検討に入りました。

パワハラは、職場の環境を悪化させるだけでなく、被害者が病気を発症して労災認定を受けるなどの悪影響があり、社会問題にもなっています。しかし、これまでは、企業で防止策を策定することは、法律上の義務にはなっていませんでした。

セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は男女雇用機会均等法で、マタニティー・ハラスメント(マタハラ)は育児介護休業法で、防止策を講じるよう定められています。パワハラがこれまで法律で義務化されていなかったのは、バワハラか職務上の指導かの判断をするのが難しいという面があったからでしょう。

パワハラの防止策が法律で義務化されれば、就業規則にも以下のような内容が必要になってくると思います。
・会社が、バワハラ防止に取り組むという宣言
・どのような行為がパワハラにあたるかの例示
・相談窓口や相談体制
・加害者の懲戒処分
・再発防止策
・相談者などの秘密保持

また、定期的にバワハラ防止の研修も必要になってきます。

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有給休暇消化義務で注目される時間単位の取得

ilm08_cf07001働き方改革関連法が成立し、来年4月からスタートする制度もあります。このなかで、悩ましいのが、有給休暇の消化義務です。
年次有給休暇が年間10日以上付与された人に対し、最低でも5日、消化させなくてはならなくなります。
本人が自ら申請して5日以上消化すれば問題ありません。ただ、本人の申請が5日に満たない場合は、会社が時季を指定して消化させなくてはなりません。

このところ、働き方改革関連法について、クライアントさん各社に説明に出向いています。一番意見が出るのが、この部分です。会社側からは、以下のような意見が出てきます。
「会社としては休ませたいが、本人が休みたくないと言う。」

従業員からは、以下のような意見が出ます。
「休んでも仕事は減らない。次の日仕事が厳しくなるだけ。」
「初年度は10日しか付与されない。病気になったときのために、貯めておきたいが、5日も使ったら貯まらない。」

どれも真っ当な意見です。しかし、労働基準法で有給休暇の消化が義務となります。

対策として、以下のものが考えられます。

ア 年次有給休暇の計画的付与
会社(あるいは部署)で一斉に有給休暇を使用する日を労使協定によって定めるのです。
例 連休の谷間 お盆休み 部署ごとにわかっている閑散期 など

イ 時間単位の有給休暇
年次有給休暇は、労使協定で必要事項を定めれば、時間単位で消化することもできます。忙しく、1日は休めない人でも、1時間、2時間なら休めるかもしれません。
前日の勤務が夜遅くなることが予想される場合や、旅行に行く前の日など、フレキシブに使えます。

また、計画的付与と時間単位の有給休暇を組み合わせるという方法もあります。

従業員にとってはせっかくの有給休暇です。有効に使用できる方法を考えましょう。

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大地震のため休業したときの賃金

point-019月に入り、続けて大規模な自然災害が発生しました。台風21号および北海道胆振東部地震により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

北海道胆振東部地震では、建物の倒壊や設備の破損が激しく、休業を余儀なくされた企業も多いことでしょう。中には、事業再開まで1か月以上かかるところもあると聞いています。

大地震により休業したとき、従業員の賃金はどうなるのでしょうか。
労働基準法第26条には、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の6割以上を支給しなくてはならない(休業手当)ということが定められています。

ただし、地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け従業員を休業させる場合は、労働基準法第26条に定める「使用者の責に帰すべき事由」には該当せず休業手当の支払い義務はありません。

しかし、1か月も休業させる場合、休業手当を全く支払わなくてよいのでしょうか?法律的には支払い義務はないのですが、従業員の生活のことを考えれば、まず、別の形て働けないかを探るべきでしょう。
具体的には在宅勤務、あるいは、近隣の営業所や店舗で勤務できないかを検討すべきです。職種によっては、在宅勤務ができないものもあるでしょう。中小企業なら、別の営業所などない場合もあります。仮にあったとしても、元々働いている従業員の方がいるわけですから、与えられる仕事がないかもしれません。
結果的には働けないかもしれませんが、休業を回避する方法を検討することが大切です。

天災は忘れたころにやってくる と言います。平時から、大規模災害の際の勤務体制を検討しておくことも大切です。

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70歳まで雇用時代へ

ilm08_be010079月6日付け日本経済新聞朝刊によると、政府は、労働者が希望すれば70歳まで働ける趣旨で、高年齢主雇用安定法改正の検討に入りました。

現在は、定年は60歳以上、65歳までは継続雇用などで雇用を確保する措置を講ずることが義務付けられています。これを一気に70歳まで引き上げるのではなく、数年かけて70歳まで引き上げていったり、最初は70歳までの雇用は努力義務とする方向です。

人口が減少し、高齢者の比率が高まっている日本。昨今の人手不足から、70歳までの雇用はすんなり浸透する?
そんな単純な話ではなさそうです。

高齢者の継続雇用年齢を延長すれば、相対的に若年者の雇用を減らす力が働きます。いくら人手不足といえども、中小企業にとっては厳しい選択になります。また、企業の社会保険料負担も増加します。

将来的には、高齢者の雇用を拡大する必要があると思うのですが、現在は、「希望者全員65歳まで雇用」をやっている途中といえます。それが完全に実現してから、10年あるいは20かけて徐々に実行していくことかと思います。

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厚生年金保険 加入要件の緩和は必要か

ilm08_bd01012厚生労働省は、厚生年金保険へ加入する要件を緩和する方向で検討に入りました。
現在は、勤務時間・勤務日数が、常時雇用者の4分の3未満(概ね週30時間未満の勤務)であっても、以下の全ての要件を満たせば、厚生年金保険に加入することになります。
1 週の所定労働時間が20時間以上であること
2 雇用期間が1年以上見込まれること
3 賃金の月額が8.8万円以上であること
4 学生でないこと
※被保険者数が常時501人以上の企業てせの要件。500人以下の企業では、労使合意が要件に加わる。

このうち、月額が8.8万円以上という部分を、月額6.8万円に引き下げるという案です。また、500人以下の企業については、労使合意の必要なく加入するという話も出ています。
なお、仮に収入要件が月額6.8万円に下がっても、現在の標準報酬月額の下限98千円は引き下げになるのかどうかはわかりません。

そもそも、週20時間以上勤務して、賃金月額8.8万円未満という人がどの程度いるのでしょうか?
東京都で考えると、最低賃金が958円(平成29年10月現在)。ただ、今後は上昇し、1000円を超えるのはあと2年くらいかと思われます。また、数年かけて、全国平均でも1000円するのが政府の目標です。
1カ月は4.3週間あるとして、時給1000円になったときを想定すると
20時間×4.3週間×1000=86,000円
20時間という最低ラインの勤務時間であっても、8.8万円の現在の要件にかなり近づきます。

週20時間勤務で、賃金月額を6.8万円未満(厚生年金保険に加入しない要件)とすると、時給790円未満にしないといけない試算が出ます。

収入要件を引き下げれば、それを超えないように時給や勤務時間数を減らそうという動きもでてきます。強制加入の要件を緩和するのではなく、国民年金に任意で上乗せできる制度を充実させるのも1つの方法かもしれません。

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派遣先事業所の派遣期間延長手続き

ilm08_ac070072015年(平成27年)9月30日に労働者派遣法が改正され、まもなく3年が経とうとしています。労働者派遣法の場合、3年というのが1つの節目になっています。

派遣労働者で言えば、同一企業の同一組織単位(会社で言うと「課」のイメージ)に3年続けて派遣されていたら、別の会社、あるいは同じ会社でも別の課に移籍したり、または、派遣元で期間の定めのない契約に転換しないといけないというルールがあります。これは、主に派遣元企業が行うことで。

派遣労働者を受け入れている、派遣先企業にも3年ルールはあります。事業所単位(課ではない)で、派遣労働者を受け入れることができるのは、原則として3年間です。ただ、これには例外があり、3年間に達する1カ月前までに、当該事業所の従業員過半数代表の意見を聴けば、
3年という期間は延長できます。1回につき延長できるのは3年までですが、その後また延長するのは差し支えありません。

この延長手続きは、以下の要領で行います

1 派遣延長の意見を聴くための、従業員代表を選任してもらう。
会社が代表を指名するのではなく、従業員で自主的に選任してもらいます。
なお、過半数労働組合があれは、その代表に意見を聴くことになります。

2 従業員代表に意見を聴く
口頭で済ますのではなく、書面で意見を聴き、書面で回答してもらいましょう。
書面で意見を聴くときには、延長しようとする期間(1回につき最長3年間)や、派遣労働者の人数の推移などを提示しましょう。
なお、従業員代表から意見があがったら、しっかりと検討し、必要に応じて、延長期間の修正などの対策を講じましょう。

3 事業所の労働者や派遣元企業への結果通知
意見の聴取を終え、派遣期間を延長したら、その内容を事業所で働く労働者や、派遣元企業にも通知しましょう。

なお、ここで言う3年というのは、改正労働者派遣法が施行された2015年(平成27年)9月30日以降に締結した派遣契約から対象となります。3年の起算日は、派遣契約の日によつて違ってきますので、ご注意ください。

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賃金上昇 本格化?

ilm08_bd03013賃金が上昇しています。6月の名目賃金は、前年同月比で3.6%上昇し、実質ベースでも2.8%上昇。ともに、21年ぶりの高い伸び率でした。

賞与の増加や、賞与支給を7月から前倒しした企業があることが影響している面も指摘されていますが、それを差し引いても高い上昇率です。

要員として考えられるのは
・中小企業の賃上げ・ベースアップが高かったこと
・非正規社員の賃金が上がっていること
です。これは、「全体的に底上げされた」ことを意味します。

これをもって、賃金は本格的な上昇局面になるのか?
いやいや、そう簡単ではなさそうです。物価は、いまだに低水準のまま。消費はGDP速報値ではいい数字がでましたが、家計調査の実質ベースでは前年同月比マイナス。まだ、はっきりしません。経済の教科書的にいえば、これらの指標が上がってこないと、賃金上昇も続かないようです。

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