平倉社会保険労務士事務所
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育児と仕事を両立させるための措置

育児休業に関する法律は、少子化対策にもなり、よく改正されます。

昨年10月に、出生時育児休業(産後パパ育休)が創設されたのは記憶に新しいです。

ただ、休業だけでなく、短時間勤務など、育児と仕事を両立させるための措置にも、育児介護休業法で義務付けられているものがあります。

今回は、育児休業以外の措置について紹介します。

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〇休業以外の措置の重要性

育児休業は原則子が1歳になるまで、法律で認められています。

保育所に入所を希望しても入所できなかった等、特別の理由がある場合は、子が2歳まで認められます。

これは法律上の最低の権利であって、企業が独自で3歳までとか小学校入学までとか、延長することは可能です。

ただ、ここで問題になるのが、雇用保険から支給される育児休業給付です。

休業前賃金の50%(最初の6か月は3分の2)が支給されるのですが、これは法律に定める育児休業をしている期間中です。

企業が独自で3歳まで育児休業を認めても、給付が出るのは、最大で子が2歳になるまでです。

育児休業給付が出ない分は会社が支給する という制度にしている会社もあるようですが、中小企業ではなかなかそれはできません。

収入が途絶えるというのは社員から見れば重要な事です。働く必要がでてきます。

また、収入面以外でも、長い間仕事から遠ざかっていると、復帰した際に仕事がうまくできるか不安でしょう。

収入面からも、キャリア形成の面からも、育児と仕事を両立させるための措置は必要なのです。

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〇措置の内容

育児介護休業法で義務づけられている措置は以下の通りです。

・所定外労働の制限 (残業、休日出勤の免除)       3歳まで

・時間外労働の制限 (1か月24時間以内、1年150時間以内) 小学校入学まで

・深夜業の制限 (22時から5時までの勤務免除)      小学校入学まで

・短時間勤務 (原則1日6時間勤務)           3歳まで

3歳まで とか 小学校入学まで というのは、子がこの年齢(または時期)になるまで制度を認めなくてはならないという意味です。

もちろん、この年齢や時期を、義務付けられているものより長くとる事はかまいません。

このほかにも、子の看護休暇 と言って、子どもの体調が悪い時に休める制度も義務づられています。

子が小学校に入学するまでで、年間5日まで、子が複数いる場合は年間10日まで取得できます。

この休暇は、1時間単位でも取得することが可能です。

こられの措置や休暇は、もちろん対象者が申し出てからの適用です。

対象者が必要な時期に必要な措置がとれるようにしておくことが大切です。

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〇今後の改正の方向性

育児と仕事を両立させるための措置は、政府が重要課題と位置づけているので、今後も改正が予想されます。

現在検討されているのは、次の措置です。

・子が3歳までの在宅勤務 (努力義務にする)

・短時間勤務を小学校入学までに延長する

収入面で言えば、男女ともに育児休業を取得した場合、休業前と同じ程度の手取り収入を確保できるよう育児休業給付の水準を引き上げることも検討されています。

法律で義務化されたら実施しなくてはならないのですが、法制化前に、実施してもよいのです。

このような措置は、「使い勝手」が良くなければ機能しません。

法律で義務化されていない措置であっても、会社業務の遂行上支障がなく、対象者が育児と仕事を両立しやすくなる措置であれば、導入してよいのです。

そのニーズは企業や業態によって異なります。

自社のニーズを把握し、会社にも対象者にも使いやすい措置を策定することが大切です。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)

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