「御社の福利厚生制度について教えてください。」
新卒採用の面接の際、学生からこのような質問を受けたと、びっくりしながら話されている担当者さんがいました。
今年に入り、同様のお話は、別の企業からも聞かれました。
福利厚生制度は、採用そして定着の場面において、脚光を浴びているのです。
〇法定福利費と法定外福利費
一言で福利厚生といっても、多岐にわたります。
一番大きな分け方は、会計面の話ですが、法定福利費と法定外福利費があります。
法定福利費とは、法律で企業が負担しなくてはならないと、定められている物です。
代表例が、社会保険料や労働保険料の事業主負担分です。
法定外福利費とは、法定福利費以外で福利厚生に使用する費用の事です。
法律に定めが無いので、各企業で工夫を凝らしていくことができます。
〇福利厚生の満足度が採用、定着に好影響
労働政策研究・研修機構が行った
「わが国の福利厚生の導入と利用の実態とその諸要因、そして有効性の検証」
では、就職活動期時に、どれだけの人が福利厚生を重視したかの調査があります。
20歳代 52.6%
30歳代 39.1%
40歳代 32.2%
50歳代 31.3%
60歳代以上 26.7%
若い年代の人の方が重視している傾向があります。
また、同調査で、福利厚生を重視して入社した人の方が、そうでない人より、会社に対する満足度と定着意向も高くなっています。
マイナビが就活学生に行った調査でも、就職活動の初期段階及び、複数の内定を得た学生が入社を決定する段階でも「福利厚生の充実」が多くなっています。
これらのデータからも、福利厚生の充実が採用・定着の場面で好影響を与えている事がわかります。
〇自社に合った福利厚生を
では、どんな福利厚生制度を策定したらよいのか。それはその企業によって違います。
その企業が抱えている課題を解決するための制度にするのも1つの方法です。
たとえば、生活習慣病で休職にいたるような社員がたくさん出た企業があったとします。
ここでは、人間ドックや定期健康診断に追加する項目についての費用を会社が出すという制度もいいかもしれません。
社員の病気が未然に防げれば、会社にとっても社員にとっても喜ばしい事です。
ほかにも、以下のようなものが考えられます。
・自己研鑽のためのセミナー費用の補助
・健康増進のため、スポーツクラブの費用補助
・趣味のための、有料コンテンツの費用補助
社員の方たちの要望を聞いていくのもよいでしょう。
福利厚生には費用がかかります。全て実施することはできません。
ただ、自社に最適な制度を見つけて実施していけば、少ない費用で大きな効果が得られるかもしれません。
それが福利厚生の醍醐味です。
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