「当社の顧問の契約は、これでよろしいでしょうか?」
「業務委託できてもらっているあの人、雇用保険に加入しなくちゃだめですか?」
最近、このような質問をよく受けます。
また先日、会社と業務委託契約を締結していたカメラマンについて、東京都の労働基準監督署が会社の指揮下で働く労働者と変わらないと判断し、労災認定したという事例もありました。
こられに共通する観点は、「その人は、その会社の労働者かどうか」です。
〇労働者かどうかの判断基準
契約書のタイトルが「業務委託契約」や「顧問契約」となっていても、内容が雇用契約書のようになっていた場合、
あるいは、契約書の内容が業務委託契約のようになっている、または、内容が不明確であっても、実態はほかの労働者と同じように働いていた場合
こられの場合は、労働者と判断される可能性が高いです。
労働者になるのかどうかの判断基準は、厚生労働省が次のような基準を公表しています。
1・2を総合的に勘案することで、個別具体的に判断する。
1使用従属性⑴ 指揮監督下の労働であるかどうか
イ 仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
ロ 業務遂行上の指揮監督の有無
ハ 拘束性の有無
二 代替性の有無
⑵ 報酬の労務対償性
2労働者性の判断を補強する要素があるかどうか
⑴ 事業者性の有無
イ 機械、器具の負担関係
ロ 報酬の額
⑵ 専属性の程度
(3) その他
〇判断の方法
判断の方法は、「1・2の総合判断」になります。
そして、それぞれの要素も抽象的です。
この基準はありますが、労働者かどうかの判断は、非常に難しいことになります。
判断基準の1は、労働者かどうかを正面からみるものです。
これを満たすと、労働者となる可能性が高いです。
判断基準の2は、労働者と反対にある事業者かどうかをみるものと考えるとわかりやすいです。
これを満たすと事業者になるから労働者ではない。満たさなければ、労働者になる可能性が高くなるというようにです。
〇最初の契約からはっきりさせておく
労働者かどうかの判断は難しいですが、今いる人は、しっかり判断していかなければなりません。
労働者となれば、最低賃金は適用されます。労働基準法やその会社の就業規則もてきようになります。
働く時間にもよりますが、雇用保険や社会保険に加入することもあります。
労働者かどうかを曖昧にしたままでは、その人に不利益がかかるかもしれませんし、会社にとっても不都合が生じる可能性があります。
そうならないためにも、最初に契約するときから、労働者として雇用するのか、業務委託として仕事をしてもらうのかをはっきりさせ、実態もそれに合うよいにするのが得策です。
コメント (0件)
コメントする