平倉社会保険労務士事務所
東京都文京区後楽2-16-10-302

満額春闘 中小企業は

3月13日、製造業や流通業の王手企業の春闘集中回答日でした。

結果は、賃上げで組合要求の満額を回答する会社が続出、中には、組合要求を超える賃上げを回答した企業もありました。

この流れは、中小企業に続くのでしょうか?
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〇10%を超える賃上げ率も

賃上げの満額回答は以前からあり、目新しいものではありません。

ただ、要求額が高いのにもかかわらず、満額回答をしてくる企業が多かったです。

賃上げ額にして平均3万円以上、賃上げ率では10%を超えているところもありました。

組合要求額を超える回答も多かったです。

1か月前の2月17日のブログで、賃上げの要素として以下の式を紹介しました。

(定期昇給分)+(ベースアップ分)+(生活向上分)

10%を超える賃上げとなると、生活向上分がかなりの部分を占めるようになります。

今回の春闘のテーマは、「物価上昇を上回る賃上げなるか?」でしたが、これが、「組合要求を上回る賃上げなるか?」に変わっていくんじゃないかという勢いです。
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〇まだ安い?日本の給与

私の記憶では、1990年代前半のバブル期以後、最高の賃上げでしょう。

ただ、今年だけの結果で喜んではいられません。

「失われた30年」と言われているバブル崩壊後、日本の実質賃金はほとんど上がっていないのです。

欧米の先進国では、この間20%の賃金上昇があり、日本は差をつけられていました。

その結果、バブル期は観光で海外に行って物を買ってきた日本が、今は「買われる国」になったのです。

賃金が上がらない→物の値段が上がらない→だから賃金が上がらない というデフレスパイラルに陥っていたのです。

この流れを断ち切るためには、今年だけでなく、今後も大幅賃上げが必要です。
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〇中小企業も続けるか?

それより大事なのは中小企業の賃上げです。

日本の多くの企業は中小企業です。ここの賃上げがままならないと、日本全体が活気づきません。

集中回答日の3月13日、夕方のニュースで中小企業の社長さんがこんなことを言っていました。

「1万円の賃上げをするのは大変だ!」

当然でしょう。

厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」によると、1994年から2022年までの賃上げ額は、全て1万円未満になっています。

集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業 なので、部類としては大企業と言ってもよいかもしれません。

それでも、なかなか1万円の賃上げが出せなかったのです。

人材を確保するためには賃上げは必要、そのためには商品の価格を上げなくてはならない。値上げしたら、売上が減るかもしれない。

そんな葛藤で苦労しているのです。

賃上げにより消費者が値上げを容認できるようになるのか。

日本経済はここ1、2年が正念場でしょう、

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金 (hirakura.net)

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