平倉社会保険労務士事務所
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今国会は「社会保険国会」?

高額療養費制度、社会保険加入や扶養認定の賃金要件、年金制度改革

今年の通常国会では、社会保険に関する法案が議論され、新聞などでも報道される機会が多くなっています。

「社会保険国会」ともいえる状況です。

主な制度を見てみましょう。

〇高額療養費制度

高額療養費制度は、1か月の医療費自己負担額が高額になった時に、その上限額を定めている制度です。

また、過去12カ月で3回以上高額療養費制度の適用を受けた場合、4回目以降は上限額が引き下がることになっています。(下の表の一番右 多数該当)

現在、70歳未満の方の場合は、収入に応じて以下のように限度額が定められています。

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この自己負担限度額、右側の多数該当の金額も毎年徐々に引き上げていくというのが当初の政府案でした。

しかし、患者団体などの要望を受け、まず多数該当の金額引き上げを無くします。長期療養している人たちへの配慮です。

ただ、多数該当の金額を据え置いただけでは長期療養者への配慮は不十分です。

例えば上の表の③区分ウの人で、投薬で毎月の自己負担額がずっと9万円だった人がいたとします。

この人は高額療養費の該当を受け、4カ月目以降は多数該当になり、月々の自己負担は44000円になります。

しかし、③区分ウの80100円の部分が100,000円になったらどうでしょう。

自己負担額9万円では高額療養費制度の適用はなく、当然、多数該当の適用はありません。44000円に据え置いても意味が無いのです。

この方の場合、今まで月44000円の自己負担が9万円になってしまいます。

政府の当初案では、80100円の部分が数年後には100,000円を超えるものになっていました。

衆議院では自己負担額の引き上げを決めていましたが、参議院の審議で引き上げ凍結となりそうです。
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〇社会保険加入や扶養認定の収入要件

今国会の目玉と言われているのが、「103万円の壁」です。

所得税が課税される最低額を年間103万円だったのを引き上げるようにしています。

これにより、年末の働き控えがなくなる効果があります。

これが160万円に引き上がりそうなのですが、こうなると、社会保険加入や健康保険扶養の認定にも影響してきます。

被保険者51人以上の事業所では、社会保険に加入する要件として、週20時間以上勤務するという要件とともに、月収が88000円以上という要件があります。

月収88,000円を1年に直すと、88,000×12=1,056,000(円)となり、160万円より低くなります。

最低賃金の上昇もあり、月収88,000円以上という要件は必要ないのではないかという意見があります。

また、健康保険の扶養になるための収入要件として、年間130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)という要件があります。

この金額についても変更されるかもしれません。
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〇年金制度改革

年金については5年に一度大きな法改正があり、今年がその年にあたります。

基礎年金(国民年金)の支給額を引き上げる案が出せれていますが、財源は厚生年金保険からもってくることもあり、一時的に厚生年金の受給額が下がる事も予想されます。

そんな事情もあるのか、このブログを書いている時点ではまだ法案が提出されていません。

ただ、近い将来行わなくてはならない事です。

また、厚生年金保険の財源確保として、社会保険の適用拡大の審議は予定されています。

令和9年10月から、被保険者が36人以上の事業所は、今の51人以上の事業所し同じく、1週20時間以上勤務などの要件で社会保険加入となる法案が提出されています。

この法案が成立するのかどうかも注目です。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金

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