先日TVでリベンジ退職の事を紹介していました。
退職する社員が、退職時あるいは退職してから会社に復讐することです。
アメリカで急増しているとのことですが、日本にもその波が来ているようです。
〇リベンジ退職のタイプ
リベンジ退職は、大きく次の3つに分けられます。
1 あえて繁忙期に退職する
年末年始の繁忙期、大型プロジェクトの真っ最中、あるいは人手不足がわかっている時に退職します。
実際に会社は痛手を被るます。
2 引継ぎをしない、資料を隠す
やりかけの仕事の引継ぎをせず、あるいは、これまでの資料を隠す(消去する)などです。
退職した担当者の頭の中にしか入っていない情報です。残された社員にはわかりません。
これが、大きな案件の場合、会社は大打撃を被るでしょう。
3 会社の悪口をSNS等で拡散する
長時間労働や自身が受けたハラスメント、会社の違法行為をSNS等で拡散する事です。
中には、事実でないことも入っているかもしれません。
どこまで拡散しているのか、どんな人(会社)が見ているのかわからず、会社の被害も計り知れないでしょう。
〇リベンジする方のリスク
リベンジが過ぎると違法行為とみなされ、会社から損害賠償を受ける可能性があります。
例えば、自分が担当していた仕事の資料を破棄したりデータを消去した場合、それが元で会社が損害を受けたら、損害賠償を受けることがあります。
また、退職したら、再就職を探すると思うのですが、その場合、これまでのキャリアを生かした「同じ業界」になることが多いです。
そうなると、「あの人は、同業のA社でリベンジ退職した人だ」と噂が届くのが早いです。
警戒され、再就職がうまくいかなくなるかもしれません。
リベンジ退職で会社は打撃を被るかもしれません。ただ、やった本人にも損害が出るかもしれません。
会社に抗議するのであれば、社内の相談窓口。無い場合やあっても信用できない場合は、行政など外部の相談窓口に行くという方法もあるのです。
〇リベンジ退職をされないために
会社としてリベンジ退職を防ぐ方法、次の3つがポイントです。
1 労働環境の整備
会社に不満を持っているという事は、労働環境に不満を持っている事が大部分です。
長時間労働、ハラスメント、法令違反(違反の業務に就かされている)が代表的です。
これらを重点に、労働環境を見直してみるとよいでしょう。
2 相談窓口の配置と実効性の確保
いくら労働環境をクレーンにした(と思っている場合も含む)としても、不満はでるでしょう。
不満の受け口となる相談窓口は必要です。ハラスメントについては、法的に必須になっています。
また、ただ設置しただけでなく、実効性も確保しなくてはなりません。
「会社の相談窓口に行っても、握りつぶされるだけ」と思われていたら、相談も来ません。鬱憤が溜まるだけです。
しっかりと調査し、公平を保った判断をしていれば、相談窓口も信用されます。
3 退職を強引に引き止めない
人手不足で辞められたら困る状況であっても、「辞めたら許さない」というような態度はよくないです。
社員も追い詰められ、「こうやって退職するしかなかった」とリベンジ退職してしまうかもしれません。
退職の申し出があったら話し合い、継続の可能性や、辞めるにしても退職時期などを決めていくのがよいでしょう。
会社も社員も、円満退職が理想ですから。
平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金
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