平倉社会保険労務士事務所
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健康保険料率 引き下げへ

日本経済新聞は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の全国平均保険料率が、現在の10.0%から9.9%に引き下げる方向で調整に入ったと報道しました。

毎年3月に行われる保険料率の改定では、引き下げが期待できそうです。

また、協会けんぽだけではなく、そのほかの健康保険組合でも引き下げがあるかもしれません。

なお、雇用保険料率についても、令和8年4月より引き下げになる方向です。
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〇健康保険組合の収支

協会けんぽに限らず、健康保険組合の収入源は、被保険者とその企業が支払う健康保険料です。

収入源は、保険料がほぼ全てと言っていいでしょう。

一方支出で多いのが医療費です。

医療機関で保険診療を受けると、被保険者や被扶養者が窓口で支払うのは全体の3割(年齢により2割の人も)、残りは健康保険組合が負担します。健康保険制度の根幹です。

このほかにも、出産手当金や傷病手当金などの保険給付があります。

そして、医療費と並んで多くを支出しているのが、高齢者医療制度を支えるために出す、拠出金です。

この拠出金は、被保険者及び事業主が支払う特定保険料として確保されます。

例えば協会けんぽ東京支部の令和7年度の健康保険料率は9.91%です。

このうち、拠出金に使われる保険料率は3.38%です。保険料収入の3分の1程度が拠出金になります。

協会けんぽ以外の健康保険組合では、特定保険料率が、健康保険料率の4割以上占めているところもあります。
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〇健康保険組合が収支を改善するためには

収支改善の方法は、どんな組織であっても共通で、収入を増やし支出を減少させる ことです。

保険料収入は、次の式で計算されます。

(被保険者の平均標準報酬月額)×(保険料率)×(被保険者の総人数)

被保険者の平均標準報酬月額は給与の金額に近いです。これは各企業が行う事で、健康保険組合はどうにもできません。被保険者の総人数も企業次第です。

保険料率を上げるには、それ相応の理由を示す必要があり、簡単にはできません。

一方、支出の方ですが、健康保険組合が、医療費を少なくすることはできないと思うかもしれませんが、方法があります。

加入している被保険者や被扶養者が健康になればいいのです。

健康になれば、病院に行くことはなく、医療費もかかりません。また、仮に病気になったとしても、早期に発見して早期に治療すれば、医療費は少なくて済むことになります。

したがって、健康保険組合は、加入者が健康になる事業を行ったり、健康診断を充実させたりしているのです。

健康保険組合はこのような努力を行っています。

しかし、拠出金については努力で減らすことはできません。

拠出金の上昇に伴い、赤字の健康保険組合は増えてきました。
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〇協会けんぽ以外も引き下げか?

協会けんぽは、保険料収入以外にも収入源があります。

医療費給付のおよそ16%を国庫負担で補助を受けています。

協会けんぽ以外の健康保険組合はこれがありません。

協会けんぽの保険料率だけ下がれば、ほかの健康保険組合に加入している企業が協会けんぽに移籍し、健康保険組合の収支がますます悪化してしまうかもしれません。

それを防ぐために、協会けんぽ以外の健康保険組合にも、国からの財政支援をすることが検討されているようです。

これで健康保険料率が下がれば、手取りアップにもつながります。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金

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